だいたいどこの広告店もそうだと思うのですが、人事などのバックオフィスや経営機能を除くと、フロント業務としては4職種あります。
1)営業
2)クリエイティブ
3)運用
4)オペレーション
それが上記の4つです。厳密に言うと、競合との提案競争である「コンペ」を専門にする組織があったり、代理店によっては上記を兼任でこなしている場合もあるので、細かい違いはありますが、聞いている話だと大体同じような組織構造です。
簡単にそれぞれの職種の仕事を説明します。
1)営業
最初の部分で触れた、「誰に」「何を」「どこで」「どのように」の大枠をお客様や社内のメンバーと一緒に固めていくのが営業の仕事です。僕も、このセクションで仕事をしています。お問い合わせに答える場合もあれば、こちらから提案をお持ちすることもあります。よくある広告代理店以外の業種の営業職と違うのは、特定の商材をこちらからプッシュで売っていく作業がほぼ無いことです。代理店の規模によりますが、自分たちでお客様を探すために「テレアポ」のようなことをすることもほぼ無いです。
世間でいうような営業よりは、どちらかというとプロジェクトマネージャー(PM)に近いような仕事だと個人的には思っています。
同じお客様と長期に渡ってお仕事をすることが多いです。
2)クリエイティブ
「誰に」「何を」「どこで」「どのように」の中でも、「何を」の部分をメインで担う集団です。20〜30代男性にむけた新しい洋服のプロモーションを仕掛けるときに、どのような広告クリエイティブ(プロモーションコンセプト、TVCMやバナー広告など)であれば、もっとも鮮烈にお客様の心に残り、商品を買っていただけるのかを考えることを仕事にしています。
デザイナー、アートディレクター、クリエイティブディレクター、ライター、など代理店の規模や種類によってこの中で細かくレイヤーが分かれている場合もあります。
美大卒の方が多イメージですが、全く違うキャリア専門、キャリアの方もたくさんいます。
同じお客様、業界を中心に担当する場合もあるようですが、比較的プロジェクト毎に違うお客様を担当することも多いです。
以前は、ネット広告代理店のクリエイティブはひたすらバナーを作りまくっているイメージでしたが、最近はCMなどのマス広告〜ネット広告までを一貫したコンセプト設計を担ったりするなど、上流の工程でバリューを発揮していかないといけなくなってきている印象です。
3)運用
ここは深ぼると本が1冊かけてしまう内容なので、簡単に説明します笑
ネット広告の多くは別名「運用方広告(performance ads)」と呼ばれ細か設定や日々のメンテナンス作業によって出てくる効果が変わってきます。運用組織は投下した広告費が最も効率的に使われるように、GoogleやFacebookの仕様を理解して、上で日々広告配信を調整していきます。かつてはこの分野の知識はそこまで市場に出回っていなく、かつかなりアナログな部分が残っていたので運用組織のバリューも発揮し易かったのですが、近年知識がネット上で簡単に手に入るようになったことに加えて、Googleなどのプラットフォームでの自動化が進み、より簡単な設定で最大限の効果が出るようになってきたため、運用面でネット広告代理店がバリューを出すことは難しくなってきています。
※あくまで、個人的な所感です。特に大手のお客様の場合は広告代理店出身の方がいたりするなど、かなりノウハウが強い一方、中小企業様の多くはまだまだノウハウに乏しい状態です。
4)オペレーション
人によっては、上記3職種だけを記載する方も多いと思いますが、このオペレーションもかなり重要な仕事です。エクセルでの作業や、作業の効率化全般が得意な方は是非門を叩いてみてください。
ネット広告代理店では、毎日膨大な作業とデータを取り扱っています。
その作業を効率化するためにはどのようなルールやツールがあれば良いのか。効果を分析するためには、どんな粒度のデータがあれば良いのか。などなど、日々お客様や社内のメンバーとの間でどこまでの要求は実現できるのかをジャッジして、実行していきます。
もちろん日々同じ作業をしているルーティンワーク系の方も多いと思いますが、そういった役割は地方や海外へのアウトソーシングが進んでいるので、ここでのオペレーションではもっと積極的な業務貢献が求められているイメージです。